スパロボ参戦作品 ポケットの中の戦争

機動戦士ガンダム0080は80年代のOVA作品。ガンダムシリーズでは異色のジオン兵からの視点に絞った作品。

終戦が迫る1年戦争の終盤に、アムロレイらの所属するホワイトベース隊にガンダムタイプの新型が護送されるという情報を得たジオン軍は、サイクロプス隊を派遣し、ガンダム強奪及び破壊を計画する。

ジオン軍の新兵であるバーニィに主観が置かれていて、バーニィの友人、少年アルとの日常と戦争の悲惨さを交互に忌憚なく描写している。

バーニィがザクでガンダムを必死に倒そうとするのは、コロニーへの核攻撃を止めるためで、コロニーに住む住人も、自分の所属するジオン軍でさえバーニィガンダムを倒そうとする理由を知らない。

ガンダムにはバーニィが恋愛感情を抱いていたクリスが搭乗していて、相打ちとなる。バーニィは命を散らして、クリスはザクのパイロットがバーニィだったと知らずに、やがて1年戦争終戦を迎える。

アルがバーニィに最後に残したビデオレターには、連邦の兵士やガンダムパイロットを恨まないでくれという証言が残っていた。連邦の兵士も命令に従って戦っただけだという事実をアルに受け止めさせた。

OVAはバッドエンドといっていいが、スニーカー文庫から出版された小説版では、バーニィの意識が戻るという結末に変更されている。ガンダムの小説は概ね難解だけど、読みごたえがある。

ちなみにスパロボIMPACTでは仲のいいバーニィとクリスのその後を見ることが出来る。こちらは小説版の世界なのだろうか。

おそらくガンダムシリーズで最も小規模な出来事を扱っています。戦争は信頼をも無にするからこそ、平和の価値が問われます。