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THEビッグオー SS Rogers holiday③

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ロジャーはアレックス・ローズウォーターの所有するビルの前にある、駐車場へ愛車のグリフォンを停める。 車内で構想を練る。ようは空き巣被害が一軒で終わるはずがないという、初歩的な推理だ。 この論理が成り立つ理由は、完全犯罪が成立している、なおか…

THEビッグオー SS Rogers holiday②

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ロジャーは空き巣の横行している3番街へ偵察も含めて駆り出した。 「住所は確かにここだが…」 ロジャーは謎のネオンが光るカジノらしき建物の前で思案する。場所は果たして本当にここで合っているのだろうか。 ドアを開けて中に入ってみると、トランプやチッ…

THEビッグオー SS Rogers holiday①

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休日を利用して、ノーマン、ドロシーとともに市場での買い物に繰り出したロジャー。 「ロジャー様、邸宅でお休みになられてもよろしかったのですが、非常に忍びない。」 「いいや、ノーマン。こういった経済の偵察も仕事の一つだ。」 ロジャーは野菜売りに目…

THEビッグオー SS Dark Water③

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ロジャーは地下水脈の流れを管理する施設を訪れる。 「最近何かおかしなことは?」 施設の管理員に問いかける。 水を調節するバルブが不調で、亀裂が入ったり水が溢れることが頻発しているらしい。 管理責任者をしても全く原因がわからず、おそらく水が大量…

THEビッグオー SS Dark Water②

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愛車のグリフォンを駐車場へ停めた後、地下街の集会所へたどり着いたロジャー。 人が多く混雑する群れをかいくぐって、代表と思しき人物を見つけた。 教祖が仰々しく力説する。 「この水には神に等しい力を授ける力があるのです」 「まやかしだ。信じてはい…

THEビッグオー SS Dark Water①

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パラダイムの町に、ある噂が広まっている。 飲むと幸福が訪れるといういかがわしい水の話だ。私はその調査に乗り出したのだが…。 「こんな何の変哲もない水が幸福を?」 論より証拠と飲むわけにはいかない。危険な代物であるかもしれないし、サンプルを失う…

THEビッグオー SS Missing elevator④

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ロジャーなきパラダイムシティ中央銀行に、ベックの悪趣味な金色の巨象が迫る。 「ハハハ~ロジャー坊ちゃんがいない今、この町は俺の遊び場ってわけだ!」 取り巻きのいつもの2人も、にやにやしながら銀行に照準を合わせる。 「ちょ、ちょっと待て?いま何…

THEビッグオー SS Missing elevator③

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ロジャーは早朝からエレベーターの調査に乗り出す。1階に降りてみたが、整備室があるだけで、この町に存在する何の変哲もないエレベーターと化していた。 エンジェルと合流した後、バックパックから取り出した、先日手に入れた新聞記事を読み返す。 「ねぇ、…

THEビッグオー SS Missing elevator②

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エレベータールーム内に置かれた手紙を、エレベーターに直接触れないよう回収するロジャー。 封を切り、手紙を広げてみると、 「拝啓、ロジャー・スミス様。当領土内に足を運んでいただけたこと、心から御礼申し上げます。」 「つきましては、私共の世界をご…

THEビッグオー SS Missing elevator①

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ロジャー・スミスは朝に弱い。 寝ぼけ眼のまま、ノーマンの用意したフレンチトーストに、甘さ控えめのブルーベリージャムを塗りたくる。 食事を終えた後、いつものスーツに身を包んだロジャーは、ドロシーを探すが見つからない。 「ドロシーなら先ほど出かけ…

THEビッグオー SS④

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不完全な整備状態のビッグオーを、1番街の中央まで運んだロジャー。 模造品の機械人形たちは、ロジャーに道を譲るようにその群れを一纏めにする。 ロジャーは、ビッグオーのコクピットからワイヤーを伝って降りる。 「ご老体、あなたの計画にこれ以上、善良…

THEビッグオー SS③

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「そこまでにしていただこうか、ルーデル氏」 暗闇の中、ロジャーの言霊が反響する。腕時計から放たれたライトを掲げ、静寂の中老人に語り掛ける。 「おやおや、押しかけのお客さんにしてはずいぶん騒々しいリクエストだ。」 「私はあなたの計画を阻止するた…

THEビッグオー SS②

軍警察内部で、ある噂が広まっていた。 黒いメガデウス、そして次々現れる異形の巨大生物やロボットたち、それら関連の事案が、最近になって群発していることに関連性があるという噂だ。 署長室の椅子に腰かけるロジャーは、コーヒーの入ったカップを片手に…

THEビッグオー SS①

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パラダイムシティ、この町は記憶喪失の町。 漆黒のスーツに長身、肩幅は広く凛とした出で立ちの青年。彼はこの町の世情を誰より知っていた。 「今回の依頼ですが、私ではどうもお力添えになれません。」 開口一番のロジャーの発言に、怪訝な顔をしてにらみつ…